きまぶろ

本とアニメと気ままな生活のブログ

枝付き干し葡萄とワイングラス(椰月美智子)

短編集

 

結婚した女性の目から見た日常で、特にドラマがあるわけでもない。主人公を「彼女」と呼び、三人称の客観的な視点からの描写している。

 

城址公園にて:切り出された離婚話を保留し、親戚の子らと向かった公園。

風邪:夫がスノボ休暇で不在のときに、風邪をひいた妻。横になっているときは、この世界に存在するあらゆるののたちに感謝をし、許しを請い、同情するが、回復するやいなや、卑近な雑事で頭の中がいっぱいになる。

夜のドライブ:夫婦で気ままに、何にも捉われずに自由に。互いの存在を意識しない距離感がいい。

たんぽぽ産科婦人科クリニック:緊張や微かな不安を感じるものに囲まれているが、落ち着いてみると何てこともない日常の一部で、親近感も覚える。

プールサイド小景:スポーツクラブのプールでのあるある。主人公を「彼女」としているが、今作は描写する側の憶測や気持ちまでも書かれている。そのわけは。

七夕の夜:他の誰とも違うという自分に気づく園児

枝付き干し葡萄とワイングラス:不倫で女性を妊娠させた不実な夫が淡々と無感情に誠実な対応をする。

甘エビ:夫婦喧嘩

おしぼり:居酒屋でとんとんとん

どじょう:離婚を控えた男女