困った悩みが消える感情整理法（水島広子）

自分が深く悩んでいるとき、他の人は幸せで気楽に生きているように見えがちだが、実はほとんどの人が何かしら悩んでいる。「あの人も悩んでいるんだ」と知ることは、視野を広げ心を楽にするし、一見自分の悩みとは関係なく思えるものでも、自分のヒントになるものも多い。

悩みの軽重を問わず、対人関係は心の健康を左右する。「それぞれの人にはそれぞれの事情がある」という当たり前の事実が共有されていないのが原因となっている。「なんでそういうふうに振る舞うのだろう」と考えるのではなく、「それなりの事情があるのだろう」と考えたい。それがピンとくるとお互いが親切になり合えるし、傷つくことも減る。

不安が消えないとき、プレッシャーを感じるとき、イライラが止まらないとき、不快指数が上昇したとき、気弱になったとき、無力感が生まれたとき、心の傷が痛いとき、鬱っぽいときの８つの章に分け、それぞれの章でも細かくテーマごとに気持ちの持ちようについて具体的なアドバイスが書かれている。

一通り読むことで、私も日ごろのイライラがかなり減った。完全に消えるわけではないが、穏やかになったことは間違いない。悩みのある人もない人も一度は読んでもらいたい一冊。