英語の歴史から考える英文法の「なぜ」(朝尾幸次郎)
なぜ英語のリスニングは難しいか。
なぜ三単現のsはつけるか。
なぜthere isは「ある」か。
なぜ不規則動詞はあるのか。
なぜbe動詞の原型はbeか。
なぜwillが未来形か。
なぜ命令文は動詞の原形で始まるか。
なぜcomeはoなのにカムと読むのか。
なぜvで始まる語は読みにくいのか。
なぜdoubtのbを読まないのか。
なぜ複数なのにa fewとなるのか。
なぜthatが関係代名詞なのか。
なぜ疑問文、否定文にdoを使うのか。
なぜ原形不定詞があるのか。
なぜhave+過去分詞で現在完了なのか。
なぜhave toで「しなければいけない」なのか。
なぜbe+ingで進行形なのか。
これら素朴な疑問は英語の歴史を紐解くだけで簡単に納得できる。
ブリテン島には紀元前にケルト系のブリトン人が住んでおり、使用する文字はルーン文字だった。紀元前後にローマの支配され、その後約400年の間ローマの支配を受けるが5世紀中ごろからゲルマン人の侵入を受ける。最大勢力のアングル族の他、サクソン、ジュートといった部族がブリテン島に入って来た。8世紀末には北方ゲルマン系のデーン人が侵入し、1066人はノルマン人(フランスに定住したデーン人)に征服され支配階級はフランス語となる。このため、英語はケルト系、ゲルマン系の言語を基調としてフランス語系の語彙を外来語として受け入れた複雑な言語となった。古英語と現代英語を比べることでさまざまな謎が解ける。